施設入所に対する罪悪感 自分を責めないで!現代の介護事情
2024年02月26日(月)出来事
はじめまして
皆様はじめまして。
2月よりベストマッチングに入社しました、中澤です。
10年以上在宅で訪問看護の管理者などをしていましたが、新しい分野にチャレンジしたいと思い、転職しました。
今までの経験を活かして、快適なシニアライフのためのお手伝いをさせていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
今回は、真面目なお話?!
日本の介護・医療を取り巻く環境の変化についてお話したいと思います。
施設入所に対して罪悪感を抱くご家族が多い
骨折して入院したら歩けなくなった。認知症が進行して在宅での生活が難しくなった。
どうしても施設に入所しなければならない状況は、どのご家族にもあると思います。
そんな時に良く聞く話が「親を施設に入れるなんて、申し訳ない」と、罪悪感を抱かれる方が多いということです。
私も訪問看護で10年以上利用者様の在宅介護を支えてきました。
もちろん、「住み慣れた家で過ごしたい」という気持ちを叶えてあげたいというご家族様の気持ちを全力で支えたい一心で、在宅介護をフォローしてきました。
しかし、本当に「施設=悪いこと」なのでしょうか?
日本の介護の歴史と、社会的背景の推移
日本の世帯構成の変化
日本の約60%が核家族です。
昭和30年代までは、二世帯三世帯での大家族での生活が主流でした。
当時の生活は、介護も当然家族がするのが当たり前であり、大人から子供までが役割を分担し、子育てから介護までを家族皆で支える家族形態でした。
当時の女性は家にいて過程を守るという世帯が大多数であり、子ども達も家の手伝いをするのが当然だったので、家事や介護は家族皆で分担するというのが通常でした。
その後、女性の社会進出が進み、女性も社会に出る時代に移り変わります。
男女雇用均等法が制定されたのが1985年
1980年代から専業主婦が大幅に減少しているのが分かります。
核家族の割合が増えてきているのが分かると思います。
医療制度の変化と看取りの場所
その後高齢化率が上がり、2025年には国民の5人に1人が75歳以上という超高齢化社会となる所謂2025年問題が提言され、2000年に介護保険が制定されました。
同時期、医療費のひっ迫や、病床数が不足することが社会問題となり、病院は早期退院せざるを得ない状況になってきます。
大家族みんなで介護してきた時代から、核家族化及び女性の社会進出により、在宅での介護は困難になっている状況へ。介護保険により一部手助けしてもらえるとはいえ、少ない家族構成員で介護をするのは、それほど楽なものではないはずです。
そして、介護保険制定前までは、まだまだ病院で亡くなる方も多かったのです
当時も「最後まで家で過ごしたい!」は、叶えられない方が圧倒的多数でした。
1950年代までは、家で看取りをするのが当たり前の時代でした。
在宅介護=当たり前ではない
大家族で高齢者を支えていた時代、高齢者よりも若者の方が圧倒的に多かった時代から、現代社会は大きく変化しています。
女性たちは社会進出し、核家族化が進み、少ない介護の担い手で多くの高齢者を支えないといけない時代です。
「親を施設に入れるなんて!」と言う方がいたら「ちょっと前までは病院に入院してたんですよ!」と反論してください。
もちろん、在宅介護ができる方は、全力で応援し支援します。
でも、頑張りすぎなくても良いと思うのです。
在宅介護の現場をたくさん見てきた経験者だからこそ、皆さんに言いたいです。
「在宅介護をしようと覚悟したこと。少しでも在宅介護できたこと。それだけでも素晴らしい!」
介護は24時間365日になり、ストレスを抱えやすいです。
お互いが笑顔で介護するためには、ある程度の距離が必要だと思います。
ショートステイやデイサービスの利用、レスパイト入院の利用、施設入所。
笑顔で接してくれるスタッフさんにお任せして、ご家族も笑顔キープできる介護を心掛けましょう。