「胃ろうを造りましょう」主治医から説明を受けた時、どうしますか?
2024年03月25日(月)出来事
誤嚥性肺炎で入院したU様のお義母様
神戸支社の中澤です。
先日お会いした知人Uさんの方のお話です。
Uさんには、特別養護老人ホームに入所されている90代のお義母様がいらっしゃいます。
先日誤嚥性肺炎で医療機関に入院されたたのですが、Uさんの知らないうちに胃ろうが造設されていたそうです。
Uさんは次男夫婦のお嫁さんで、キーパーソンは長男様ご夫婦。
先生からお話を聞いて、胃ろう造設を決断されたのは長男様ご夫婦だったようです。
「口から食べられないのは可哀そう」
誤嚥性肺炎になられたUさんのお義母様。
主治医からは「もう口から食べることはできない。胃ろうを作れば施設に帰ることができるよ」と説明されたそうです。
U様のお義兄様はその説明を聞いて「口から食べられないのは可哀そうだ」と判断して、胃ろうを造設することを決められたそうです。
幸いにも術後の経過は順調で、胃ろうから栄養を注入し、お義母様は元気に退院し施設で生活を再開されたとのことでした。
ただ。
Uさまご夫婦は、この度の胃ろう造設について何の説明も、相談も受けておらず
気が付いたら胃ろうが付いている状態で、大変驚かれたとのことでした。
胃ろうとは?
胃ろうについて少し説明させていただきます。
胃ろうとは、胃に直接穴を開けてチューブを入れ、胃の中に直接栄養を注入する医療処置です。
病気や老化による嚥下障害によって経口摂取が難しくなった場合などに、栄養を補給するために増設します。
近年では、延命処置になるということで、高齢者への胃瘻造設は少なくなっている傾向にあります。
その他にも
胃ろうを造設には手術が必要であり、身体への侵襲があること。
胃ろうの注入でも誤嚥性肺炎を起こす可能性があるということ
高齢者では消化管の機能も低下しているため、胃に直接栄養を注入しても、栄養素を吸収できなかったり、下痢をしたりする可能性があること
以上のようなデメリットもあり、造設に関しては慎重に判断することが不可欠となります。
迷った時にはしっかりと相談を
Uさんは、胃ろうについて反対だったとかではなく。
一緒に考えたかったとのことでした。
どんな方でも、先生から医療処置について説明を受けた時、判断に迷ってしまったり、焦ってしまったりされると思います。
そんな時は必ず、何人かに相談をしてみることをお勧めします。
ケアマネさん、担当の訪問看護師さん、施設の方、親族の方々。
複数の方の意見を聞いて、一番ベストな方法を選択するのが、後悔しない方法だと思います。
また、私が先日参加させていただいた、地域のつどい場やまちの保健室などに看護師が在籍していると思うので、相談してみるのも一つの手だと思います。
施設入居の際も、胃ろうがあることで入れる施設が変わってきます。
介護サービスのことや病気のことなど、迷った時は是非ご相談ください。